足が悪いと首を痛める

足が悪いとなぜ、首を痛めてしまうのか、その3つのメカニズムを新しい第3の医学「過労性構造体医学(Gバランス医療)」で説明しましょう。


不安定な足裏

足裏から全身のバランスを整える


1:積み木の1段目が不安定になっていると、必ずその最上部の積み木は反対側にずらし崩れないようにします。人間もこれと同じように、足裏に外反母趾、指上げ足(浮き指)、扁平足などの異常があると足指が地面に接地しなくなり、踏ん張れず足裏が不安定(悪い足)になってしまい、脊椎の最上部にある頚椎の1番目が傾いてしまいます。首は、土台の不安定を補い易いという特徴があるのです。この傾きは、無意識の内に行われているので気がつきません。更に、人間は積み木と違い「歩く」という動作が加わります。

2:歩くとき足裏が不安定な状態にあると、免震機能(地震の縦揺れと横揺れを防ぐ働き)が低下し歩く度に「過剰な衝撃波(地震の縦揺れ)とねじれ波(地震の横揺れ)」という地震の原理と同じような過労性(ダメージ)の蓄積による破壊のエネルギーが発生してしまい、傾いた脊椎の最上部、特に頚椎の1番目(頭蓋骨と頚椎の接続部)に繰り返し伝えてしまうのです。この1回の破壊のエネルギーはたとえ弱いものであっても1年、2年と繰り返されると過労性が増し、地震の巨大な破壊のエネルギーと同じようなダメージとなって、頭蓋骨と頚椎の接続部を圧迫し続け、次第に変形や微細な疲労骨折などの破壊を引き起こしてしまうのです。

3:更に、不安定な足裏は、竹馬に乗って歩いているようなもので、日常生活やスポーツなどの環境条件の中で気付かないうちにこれを大きく反復してしまうのです。

足が悪いと、頚椎の一番を痛めてしまう、その理由をまとめてみると次の3つの破壊のエネルギーが発生してしまうのです。


積み木の原理 1:積み木の1段目の原理で説明したように、足裏に不安定があると脊椎の最上部にあたる頚椎一番目(頭蓋骨と頚椎との接続部)が、足裏の不安定を補おうとして「構造学的歪み」が起こります。

地震の縦揺れと横揺れの原理 2:地震の縦揺れと横揺れの原理で説明したように、足裏に不安定があると歩行時に必ず、「過剰な衝撃波とねじれ波」が発生し、歪んだ頚椎に介達外力として伝え、変形や微細な疲労骨折などの「過労学的損傷」を起こしてしまいます。

竹馬の原理 3:竹馬の原理で説明したように、足裏に不安定があると「歪み」と「過剰な衝撃波とねじれ波」に日常の生活やスポーツなどの「環境学的条件」が加わり、反復されてしまいます。特に、2の過剰な衝撃波とねじれ波という破壊力を反復性の介達外力となって頚椎に伝えてしまうのです。これが、「足が悪いと首を痛める」というメカニズムだったのです。


ではなぜ、悪い足を首が補いやすいのか

様々な不調を持つ女性のイメージ 外反母趾や指上げ足、扁平足などにより足裏が不安定になる人は、女性の3人に2人の割合で見られます。 それらの人は本能的に、足裏の不安定(悪い足)を補おうとして体にゆがみも起こってしまいます。その中でも、脊椎の最上部にある首に歪みが多く起こっているのです。 ではなぜ、足裏の不安定を首が補いやすいのかは、次の通りです。


1:頚椎は脊椎の最上部にあって、重力とのバランスを効率的にコントロールしやすいからです。
2:首は頭を乗せ、360度回転できる関節であるため、首を傾けることで重力とのバランスをコントロールしやすいからです。
3:目からの情報による対応で、バランスをコントロールしやすいからなのです。

これが今まで「足が悪いと首の凝りや頭痛、肩凝り、めまいと一致する」と言われてきた本当の理由だったのです。このようなことは、長年の経験に基づいて言われ続けてきましたが、はっきりとはわからなかったのです。
これからは、「悪い足と、首と自律神経との関係」もはっきりと分からなければならない時代に入ったのです。なぜなら、それだけ悪い足の人が増え、それに比例して自律神経失調症状で悩んでいる人が多いからなのです。更に問題なのが、本当の理由が分からないため、薬漬けになっている人が多いということであり、薬よりも効果的な治療法を受けられないでいるからです。その為、この部分の医学が遅れているのです。人間の体は「重力の絶対的支配下」の中で、一時も休むことなく重力と戦い、同時に絶妙なコントロールでバランスを保とうとしているのです。それは、近代兵器も太刀打ちできないくらい、精巧な構造で造られているのです。それは、人間が2本足で立つようになったそのときから始まっているのです。

足裏は人間の土台、基礎に匹敵するところです。その足裏は体表面積の1%しかありません。この小さなところにわずかな異常があっても、その影響は他の場所、特に首へ伝わりやすく、時間経過と共に大きな破壊力となることは当然のことなのです。逆に言えば、足裏のバランスを見ずして自律神経失調症状の本当の原因、そのメカニズムを解明することなどできないのです。

人間の体をはじめ、地球上の構造物は全て重力とのバランスを保つことで形をとどめているこの事実に目覚めることです。ですから、自律神経をはじめ、私たちの根本的な健康法や予防法とは、重力とのバランス(調和)であり、その重力とのバランス(調和)を最も多くコントロールしている足裏から、つまり土台からバランスを整えていくという考え方を持たなければならないのです。