
少し難しいかもしれませんが、簡単に説明してみます。 体の歪んだ箇所(構造学的歪みのあるところ)」に、歩く度に 発生する「足裏からの過剰な衝撃波とねじれ波(介達外力)」を、 「反復させる生活環境(条件)」があるということなのです。自然 界の法則の基づいて、人間もひとつの力学的構造体として捉えた ものです。
■ No.1 柔整師における外反母趾(中足指節関節亜急性捻挫)の保存的療法
人間を歩く力学的構造体として捉えた上 で、歩行時の中で着地または蹴りだす時、母 趾が小指方向に押され外反となり、これが反 復性の介達外力となって繰り返される。 これをテコの原理で説明すると、母趾が 「力点」となり、そのつけ根にあたる母趾球 部が「支点」となって逆に第1 中足骨骨頭部 は内反する。このとき第5 中足骨基底部周辺 が「作用点」となって、足裏の不安定と共に 外反母趾つまり中足指節関節亜急性捻挫が発 生する。
次ページ、図1 のように5cm 幅の伸縮性のあるテープを用いて、まず「力点」となる 母趾の外反角を正常位置に戻す。次に「支点」となる母趾球部を中心とした中足関節(横 アーチ)と「作用点」となる第5 中足骨基底部を中心とするリスフラン関節(縦アーチ) を軽く固定し、それぞれに力が逃げないようにテーピングで足裏のバランスを整える保存 的療法を行う。このとき「支点」と「作用点」を押圧すると足裏のバランスが整うのと共 に外反母趾が正常位置に近づくという原理を応用する。 このようにして足裏のバランスを整えると、横アーチ・縦アーチが再生され足指を使っ て重力の上に効率よく立ち、そして歩くことにより足底筋群が発達し、疼痛は100% 近く、 変形は30% 近く改善される。 次ページ「2. 外反母趾の症例」はそれぞれの外反母趾(中足指節関節亜急性捻挫)であ る。「3. 足裏バランステーピング法で改善した疼痛と外反角」は足裏バランステーピング 法を6 ヶ月行った1 症例である。



テーピングは3 〜5 日間貼り、外したときはサポーターや専用装具を併用し常に足裏の バランスを整えておくことが、人間の土台の役割をする足底筋群の発達につながる。 ①専用サポーター、②③テーピングの原理が編み込んである専用テーピング靴下とスト ッキング。

外反母趾にはグーパーリハビリ運動で関節可動域の拡大を図る。このとき、専用テーピ ング靴下を履いたまま行う方法を取り入れると外反角及び足裏のバランスを正常に近い位 置で保持・安定させることができる。

これまでに1 万人以上の患者に対し「足裏バランステーピング法」を施したところ、疼 痛は1 〜3 ヶ月くらいで全員の改善が見られ、さらに進行も止めることができた。外反角 度はグーパーリハビリ運動と共に平均6 ヶ月で30% 前後の改善が見られた。また、リウ マチやへバーデン結節などの病変性の外反母趾で著しく進行した場合の疼痛は全員改善 (完全な疼痛消退)したが外反角度の改善は見られなかった。これらの研究により外反母 趾に対する保存的療法の構築が可能となる。
以上の結果から、母趾中足指節関節亜急性捻挫(外反母趾)に対する保存的療法の中 で、「足裏バランステーピング法」が最も効果的であり、しかも安価で安全であり外反母 趾で迷える多くの人たちが気軽に施術を受けられ、しかも日常生活に支障がない。 現在、的確かつ効果的な保存的な療法が他にないため、再現性を裏づけとする保存的療 法の構築が可能と考える。
時代の変化・ライフスタイルの変化に伴って外反母趾や指上げ足(浮き指)などの足の 異常は、全女性の80% に見られる。これは足だけの問題に止まらず、そこからさらに2 次的損傷である負傷の瞬間を特定できない様々な亜急性の損傷を運動器系・神経系に発症 させているのである。このことが問題であり、そしてこれらの患者が一番多いのである。 柔整師は2 次的損傷が発生しないように初期のうちに対策をとり、予防医学に貢献しなけ ればならないという大きな社会的役割がある。従って柔整学問として積極的にこの問題を 取り上げていかなければならないと考えるところである。
現在医療現場において、頻繁に遭遇する「足ヘ
バーデン」の存在とその「足ヘバーデンと足先部
の亜急性損傷との関係」が解明されていない。
例えば、
① 足ヘバーデンと外反母趾(母趾中足指節関節亜急性捻挫)との関係
② 足ヘバーデンと第2 中足骨骨頭部の亜急性捻挫との関係
③ 足ヘバーデンとモートン病(第4 中足骨骨頭部の亜急性捻挫)との関係などである。
手指に発症するヘバーデンはよく知られているが、問題なのは「足に発症したヘバーデ
ン」については報告もなく、殆ど知られていないのが現状である。
そのため施術法に適正さを欠き、これらの損傷をより悪化・進行させてしまう場合があ
るので、足ヘバーデンの存在とそれが関係する足先部損傷と、その施術法について報告す
る。
足へバーデンはまだ医学的に解明されていないので、『カサハラ結節』とも名付けてい
ます。
① 外反母趾(母趾中足指節関節亜急性捻挫)における母趾球部に発症したヘバーデンは激しい疼痛が続き、処置が適切でなくだましだまし数カ月過ごしていると、やがて疼痛は消退するが、外反母趾の変形や母趾球部の骨肥厚が急に進み見た目に鋭角を有し一般的にいうところのひどい外反母趾へと短期間で進行してしまう。
② 第2 中足骨骨頭部(中足趾関節捻挫)に発症したヘバーデンは、外反母趾が進行した後、母趾が第2 指の下に入り、2 指の指先が浮き、逆に2 指の付け根を過剰に打ちつけ、この衝撃が繰り返され、歩行痛と共に骨の肥厚や疲労骨折、時には脱臼骨折を伴うことがある。
③ 第4 指中足骨骨頭部に発生するヘバーデンは多くの場合、骨頭部の変形とともにモートン病(中足趾関節亜急性捻挫)の原因になっている。
1、鋭角な外反母趾・母趾球部の肥厚、変形、拘縮、つまりひどい外反母趾と判断した患者86 人中83 人(96%)に、手指にもヘバーデンがみられた。
2、第2 中足骨骨頭痛及び骨頭部の変形、肥厚、疲労骨折と判断した患者72 人中55 人(76%)に手指にもヘバーデンがみられた。
3、モートン病と医師に診断された後、来院してきた患者38 人中33 人(86%)に手指にもヘバーデンがみられた。

ヘバーデンが関係する慢性及び亜急性損傷が、想像以上に多いにもかかわらず、気付かずに見落としている場合が多い。柔整師はこれらの認識をもって施術する必要があると考え報告するものである。ヘバーデン結節という病気は、リウマチとは異なりますが、軟骨の変形・破壊などの損傷をしやすいという共通点があり、足以外にも、ひざ・腰・首など力学的にアンバランスなところへ、歩行時地面からの直達外力や介達外力(衝撃波やねじれ波)が繰り返され、負傷の瞬間を特定できない慢性及び亜急性損傷を発生させている。
整形外科を訪れる全患者の80% 以上、接骨院を訪れる全患者の90% 以上が負傷の瞬間を特定できない亜急性捻挫や亜急性の骨損傷、及び疲労骨折である。しかしこれらの損傷を慢性疾患と誤解される部分も多い。誤解される理由として、なぜ原因もなくこのような損傷が起こるのか、この問題がまだ正しく解明されておらず、グレーゾーンになっているからである。よってこの問題を介達外力という力学から追求し、そして解明したところに、時代の変化に対応できる新たな柔整学問の構築が図れるものと確信する。またその学問を裏づけとした理論武装ができるものと考えるところである。
体幹部に亜急性捻挫や疲労骨折及び亜急性のスポーツ障害を発生させるその最大原因となる反復性の「介達外力」についての考えを、足裏の機能から哲学的な裏づけをもって説明する。
地球は絶対的重力の支配下の中で「自然界5 次元構造」つまり〈縦×横×高さ×時間×環境〉の法則に従っている。これを人間に当てはめる場合、重力とのバランスで力学的に割っていくと、縦=〈①前 ②後〉横=〈③左 ④右〉高さ=〈⑤上下〉時間=〈⑥衝撃 ⑦ねじれ〉環境=〈⑧環境条件〉という自覚しにくい8 通りのアンバランスが見えてくる。
これに歩くという動作を加えて判断すると⑥⑦の時間経過に伴う足裏からの衝撃波やねじれ波という介達外力の存在がみえてくる。

介達外力にはA〈衝撃波〉とB〈ねじれ波〉という2 種類があり、人間が重力の上を移動するときこの2 つの破壊のエネルギーが発生する。

この1 回の介達外力はたとえ弱いものであっても、反復されるとその破壊力は増していく。足裏に外反母趾や指上げ足(浮き指)・扁平足などがあると免震機能が低下するため、時間経過と共に過剰な衝撃波や過剰なねじれ波というが介達外力が有害なストレスとなって、その破壊のエネルギーが上部の構造学的に歪みの大きいところにに繰り返し伝わることになる。

1、〈縦×横×高さ〉から成る構造学的歪みの大きい患部に、
2、〈衝撃×ねじれ〉という介達外力が時間経過と共に過労学的損傷となり、
3、〈環境条件×〉となる歩行やスポーツで反復された結果であると結論づけることができる。
このように「足裏の免震機能」と「介達外力」と「亜急性捻挫」というこの3 つの関係を力学的に解明する事が新たな柔整学問構築になると考える。
① 衝撃波とねじれ波が瞬間的に直達外力となったものが、負傷の原因を特定できる新鮮な損傷である。
② 衝撃波とねじれ波が時間経過と共に介達外力となったものが、負傷の原因を特定できない亜急性損傷なのである。この部分が慢性と誤解されている。
③ この「新鮮な損傷」と「亜急性損傷」との比較において、細胞損傷の事実とその程度(損傷度)は同じである。
④ また「新鮮な損傷」と「亜急性損傷」との治癒の比較においても、患部の安静固定という環境条件が整えば両者同じように治癒に至るという事実がある。
⑤ 慢性疾患と誤解されやすい損傷も「時間経過に伴う介達外力」というはっきりとした原因がある以上、「疼痛及び損傷発生後、1 年以内は亜急性捻挫として捉え、柔整師の施術範囲」。という理論武装が成り立つものと考える。
家が傾いたり、ヒビ割れがしたら誰でも土台から正していくという考えが自然に起こるように、人間にもその土台となる足裏の免震機能の低下から発生する反復性の介達外力の破壊力を計算に入れ、身体に起こる様々な亜急性損傷を診断していかなければならない。
つまり人間も「耐震構造設計」になっているかどうかという観点から診ていくことが必要と考える。
体幹部に発生するスポーツ障害の80% は負傷の瞬間を特定できない亜急性スポーツ障害である。 たとえあったとしてもわずかであり、そのわずかな原因にもかかわらず、腰椎分離症や半月板損傷といった損傷度の大きい障害まである。
つまり原因と負傷名とが一致しないスポーツ障害が多い。 また、まったく同じ条件下にもかかわらず亜急性スポーツ障害を起こす者と起きない者とに分かれる。
この矛盾や問題を外反母趾・指上げ足(浮き指)という足の異常から追究したところ、そのほとんどに足裏の免震機能の低下がみられ、そこから発生する過剰な衝撃波やねじれ波という介達外力が共通点になっていたので報告する。
すでに医師より①腰部においてはヘルニア・分離症・すべり症②膝部においては半月板損傷・十字靭帯断裂・オスグッド病③下腿部においては下腿部の疲労骨折・過労性骨膜炎と診断され、その後当接骨院を訪れた中・高校生に対し足裏の異常という観点から調査を行う。その足裏の異常となる対象は「外反母趾」、「指上げ足(浮き指)」として、その異常となる目安は外反母趾においては外反角が15 度以上、指上げ足(浮き指)では背屈角が90度以上とした。

亜急性スポーツ障害を発生した者41 人中40 人に上記基準の外反母趾か指上げ足(浮き指)、またはその両方があった。
<内訳>
1、外反母趾:9人
2、指上げ足(浮き指):26人
3、外反母趾と指上げ足(浮き指):5人
亜急性スポーツ障害を起こす少年の98% に足裏の異常が関係していることが分かった。
その足裏の異常でも、指上げ足(浮き指)が大きな原因になっていた。
この結果から「体幹部に発症する亜急性スポーツ障害は、足が原因」といっても過言ではなく、また足裏から原因追究、そのメカニズムを解明することで、スポーツ障害の予防にも貢献できるものと考える。

亜急性スポーツ障害発生そのメカニズムの裏づけとなる理論は、自然界の法則という、重力を中心とした哲学、自然界五次元構造の法則に従う。
① 縦×横×高さ×、からなる構造学的歪みの大きいところに。
② 時間×、と共に免震機能の低下した足裏から「過剰な衝撃波やねじれ波」という介達外力を発生させる。
③ そして環境条件×、となるスポーツによって反復性となる。
つまり「反復性」の「介達外力」が「歪みの大きいところ」に繰り返された結果といえる。

このような結果から、柔整師は体幹部に発症した亜急性スポーツ障害を、足裏の異常に伴う免震機能の低下という観点から判断する事が必要不可欠であり、またさらに現代医学がまだ正式には報告していない「指上げ足」、通称【浮き指】についての知識を早急に身につけ、社会へ柔整学問の1 つとして認知させる必要があると考える。
現代医学の矛盾や問題点を「重力とのバランス」という見地から医学的に解明することにより、新たな柔整学問が構築され、そこに時代の変化にあった役割や社会的価値感が生まれるものと信じるところである。
スポーツ障害で整形外科や接骨院を訪れる患者の80% が、負傷の瞬間を特定できない損傷である。これらの負傷の瞬間を特定できないスポーツ障害を追及しないのは空論であり、スポーツ医学の落ち度である。今までこのような人たちに対して、「運動のし過ぎ」「使い過ぎ」と言ってごまかしてきた部分がある。
つまり、正しい損傷のメカニズムを理解できない落ち度を患者に責任転嫁してきたのである。こういった診断や説明には大きな矛盾がある。なぜなら、「同じ年齢」「同じ種目」「同じ運動量」にもかかわらず、スポーツ障害を起こす者と起こさない者に分かれるからである。
また更に、同じ条件下で、それ以上の激しいスポーツをしても障害を起こさないものが数多くいるからである。この矛盾を追及していったところ、スポーツ障害を起こす者の全員に外反母趾・指上げ足など足裏の異常に伴う機能低下が関係していた。
人間は2 本足で歩いたり走ったりする動物であるという観点から、その差を足裏の機能から追及すると、障害を発生する者に「足裏の機能低下」が関係しているという共通点があることがわかった。
人間は重力とのバランスを最優先している。その重力とのバランスを最も多くコントロールしているところが、足裏の機能なのである。
足裏の機能には、自然界5 次元構造の法則に則った、
3 次元(縦×横×高さ) までを ①安定機能(前・後・左・右・上下) とし、
4 次元(時間) までを ②免震機能(衝撃とねじれ) とし、
5 次元(環境) を ③運動機能(運動環境) とするが、
①②③の中でも特に、『②免震機能の低下』は、時間経過と共にその破壊力が増幅される、という事実に注目しなければならない。
(例)オスグットシュラッター氏病を例にあげると、オスグットを発症する者は次の3つの条件が合った場合である。
① 指が上がっているため、力学的に大腿四頭筋に倍の疲労が加わる、構造学的歪み。(安定機能の低下)
② 指が上がっているため、スポーツ時、膝を中心に上下で『過剰な衝撃とねじれのストレス』が発生し、大腿四頭筋に倍の疲労が加わる、過労学的損傷。(免震機能の低下)
③ 膝を曲げ加減にした環境条件下で、前項1 と2 が繰り返されるスポーツをするため、大腿四頭筋に倍の疲労が蓄積される、環境学的条件。(運動機能の低下)


このように、負傷の瞬間がはっきりしないスポーツ障害にも、必ず隠れた力学的アンバランスの原因がある。時間経過を加えた場合、②の「免震機能の低下」が疲労度を増していくが、その免震機能が低下する最大原因が、足の異常「外反母趾」や「指上げ足(足指が地面に接地しない足)」である。
これは、重心が踵移動してしまう為、スポーツ時に「過剰な衝撃波やねじれ波」が反復性の介達外力(地震の原理)となり、構造学的にアンバランス(安定機能の低下)の大きいところに繰り返されるスポーツ環境の中で「運動機能の低下」が起る。これがオスグット発生の根本原因である。
スポーツをする若者に対し、短期間で発生した損傷を「スポーツ障害」と呼び、同じ原因であっても中高年に対しては「歳のせい・老化現象」と言っていたのである。両者の障害を起こす者の80% に、足裏の異常、特に「外反母趾」と「指上げ足(浮き指)」の共通点があった。


臨床治療の現場では、長い間現代医学万能、化学薬品万能といった先入観が植え付けられてきたが、負傷の瞬間を特定できない亜急性捻挫に対し、その治癒率がきわめて低くなっている。その大きな理由として、固定の甘さがある。固定が甘くなる理由は、
① 慢性疾患、神経不調のように緊急性、危険性、そして治療上のリスクが少ない損傷に対して、「固定をしなくても問題ない」という誤った先入観が存在しているからである。
② 亜急性損傷に対し、現代医学はミクロ的に追及するあまり、固定が甘くなっている。ミクロ的に追及するよりも、重力とのアンバランスを追求し、固定を主体にした治療法がより効果的であるという考え方が欠けているからである。
③ 理論の定義付けが構築されていなかったことによる知識不足から、手間ひまのかかる「面倒な固定をしない、したくない」という潜在意識が術者と患者の両者に共通するからである。
① 固定の定義として、ケガや事故などによる新鮮な損傷と、負傷の瞬間を特定できない亜急性の損傷(捻挫)との関係は、細胞損傷の事実とその程度は同じであり、従って固定も同等にするか、それ以上にしなければならない、という考えに基づく。
② 理論の構築として、人間は重力とのバランスを効率的に保つことを最優先している。その重力とのバランスが崩れたところに亜急性の捻挫が発生しているという考えを始めとしている。
自然界5 次元構造の法則に従った、治療の3 原則の中に、①構造(縦×横×高さ)「構造学的なアンバランスの回復」②過労(時間×)「過労時間から価値的時間へ転換する為の血行促進」③環境(体環境)「患部の環境条件を整えるための固定」 とあるが、固定学は第3の環境医学の中に含まれる。
つまり、患部の環境条件を回復させる処置として、負担度(破壊力)より安静度(治癒力)が上回る固定を施し、自然治癒力を発揮させるというものである。そこで、固定の必要性を力学的に図表で説明する。

● 固定の定義…………………………ケガや事故などによる新鮮な損傷と負傷の瞬間を特定できない亜急性損傷との関係は、細胞損傷の事実とその程度は同じであり、従って固定も同等にするか、それ以上にしなければならない。
● 固定力の定義………………………亜急性損傷を治癒に導く90% の働きが、固定にある。従って治療は90% の固定力をもって行わなければならない。
● 固定量の定義………………………固定の適量とは患部に繰り返される負担度(破壊力)より安静度(治癒力)が上回るための固定量を用いらなければならない。
● 固定期間の定義……………………一定期間の固定は、患部の環境条件を整え自然治癒力の発揮により何人も必ず快方へ向う、という原則に従わなければならない。
● 固定による自然治癒力の定義……亜急性損傷であっても固定によって起る「過剰仮骨の吸収と付加骨の添加」という、自然治癒力の原則に従わなければならない。
● 固定優先の定義……………………固定により筋力が落ちる心配より固定で治癒に導くことを優先させなければならない。
負傷の瞬間がはっきりしている新鮮な損傷に対しては、その臨床治療の前提マニュアルとなる基礎理論の中に固定学が存在している。これと同じように、負傷の瞬間を特定できない亜急性損傷に対しても、臨床治療の前提マニュアルとなる基礎理論の中にも固定学が必要なのである。このように、亜急性損傷に対しても理論を裏付けとした固定学の導入が柔整学問構築の大きな役割と考える。
亜急性捻挫の患部に対しては、①の構造医学 ②の過労医学 ③の環境医学(固定) の3つの行為が同時に行われこそ、効率的に治癒力が発揮され、医療行為と呼べるものなのである。
近年、足と健康との関係がTV や新聞などで報道され、足裏の異常(外反母趾や指上げ足(浮き指))が健康に良くないことが漠然と知られるようになってきたが、明確には示されていなかった。
また、日々の施術の中で運動器系・神経系に発生する亜急性の損傷や神経不調を追及していくと90% の割合で足裏の異常、つまり「足裏の機能低下」という共通点がある。 そこで、足裏の異常が身体へ及ぼす悪影響のメカニズムを解明し、定義付けることが柔整学問構築の重要な部分と考える。
地球は絶対的重力の支配下の中で「自然界5 次元構造」、つまり(縦×横×高さ×時間×環境)になっている。
これを足と身体に当てはめる。構造物と身体は力学的には同じ構造体として捉え、まず正常な足裏の機能的役割として、①(縦×横×高さ)までを構造医学的見地から「安定機能」とし、②(時間)を過労医学的見地から「免震機能」として、③(環境)を環境医学的見地から「運動機能」とする。
足裏の異常、つまり足裏の機能低下が身体に及ぼす悪影響の定義とは、①安定機能の低下 ②免震機能の低下 ③運動機能の低下 とし、この3 つの組み合わせをもって足と健康との関係を定義付ける事ができる。

人間は絶対的重力の支配下の中で、重力との調和を効率的に保つことを最優先している。従って、重力との調和が保たれたところに「健康」と「美」が生まれ、進化や発展が促されているのである。
逆に、重力とのバランスが崩れたところに「亜急性・慢性・神経不調」などの負傷の瞬間を特定できない損傷が発生し、破壊や退化が促されているのである。 その重力との調和を最も多くコントロールしているところが足裏の機能である。
中でも、免震機能の低下は時間経過と共に過労性(破壊力)を増していく、というところに注目しなければならない。
これらの力学的事実から、足と健康との関係を定義付けることが柔整師の役割であり、臨床治療医学の矛盾や予防医学の欠点を補足し、より効果的で質の高い医療へと導き、更には柔道整復学の構築の指針になる基礎理論であると確信するところである。


本来医学には西洋医学も東洋医学も、またその他の医学も区別はないはずである。人類にとって最も効率的な治療法や健康法そしてその裏付けとなる理論は1 つしかないはずである。よって、柔道整復学(柔整学間)を構築するにあたり、その前提として基礎理論の区別法を提案する。
まず、医学を正しく分類するには、「自然界5 次元構造の法則」(縦×横×高さ×時間×環境)に照し合せ、自然界と人間は重力の中では同じ力学的構造体である、という考え方をする。その方法として、(縦×横×高さ)までを3 次元の「構造医学」とし、次に(時間)を4 次元の「過労医学」とし、最後に(環境)を5 次元の「環境医学」とする。これに対し、先天的要因つまり生まれつきやDNA が関係している「遺伝医学」と、ケガや事故などの後天的要因となる「臨床医学」を加える。
医学として学問付ける場合、根幹となる理論は次の5 項目に区別され、全ての治療法はこの中に集約されている。
①遺伝医学 ②構造医学 ③過労医学 ④環境医学 ⑤臨床医学
このように医学を理論的に区別してから研究を進めていくと、枝葉に区別でき無駄を省いて幹を残すことができ、そして研究の的や方向性がはっきりし、より質の高い効率的な医療へと改革される。

1の先天性「遺伝医学」はDNA、生まれつき力学的アンバランスがある場合を指す。 また、5の後天性「臨床医学」はケガや事故などで、力学的アンバランスが発生した場合を指す。
主に新鮮な損傷に対する従来の柔整医学である。この1と5は既に医学部で基礎理論と共にその臨床治療のマニュアルが確立している。2の縦・横・高さ「構造医学」とは、縦(前・後)×横(左・右)×高さ(上下)の構造学的アンバランスを指す。
3の時間「過労医学」とは、同じ1時間でもマイナス時間となる「衝撃・ねじれ」を指し、また人体に過労的損傷を発生させる最大のエネルギーが「過剰な衝撃波とねじれ波」ということである。
4の環境「環境医学」とは、片寄った生活環境や片寄ったスポーツが最大原因となる損傷を指すのである。
1と5は原因を特定できる損傷に対し、2・3・4が負傷の瞬間を特定できない亜急性の損傷となり、これが新しい柔道整復学の構築の基礎理論となる。
このように柔整学門を構築する為には、①遺伝医学 ②構造医学 ③過労医学 ④環境医学 ⑤臨床医学 に区別することから始めることが必要である。
時代の変化と共に、疾病の症能にも変化が起り、それに伴って柔整師の役割にも変化が起ってきたのである。患者の90%占める亜急性捻挫を解明する方法として、「構造医学」「過労医学」「環境医学」と3つに区別して、柔道整復学の構築を提案するものである。

医学部及び柔整師学校は1 つ重要な理論を見落としている。その結果、いま治療医学が一定の水準で止まり限界に達している。これが代替・相補・統合医療追及の始まりと考える。
その重要な理論とは患者の90% を占める「亜急性捻挫」に対する正確な診断法・治療法であり、その裏付けとなる基礎理論の確立である。
負傷の瞬間がはっきりしている新鮮な損傷に対しては、既に医学部で臨床治療のマニュアルが基礎理論と共に確立されている。これと同じように負傷の瞬間を特定できない亜急性の損傷に対しても、基礎理論と共に臨床治療のマニュアルが必要である。ここに柔道整復学構築の中心理論があると考える。
今回、柔整学門の構築を提案するにあたり、「亜急性捻挫の発生原因と診断法」に対する裏付けを自然界5 次元の法則を用いて説明する。
まず、自然界の5 次元構造(縦×横×高さ×時間×環境)は絶対的重力の支配下にある為、これを重力とのアンバランスで割ると、①前②後③左④右⑤上下⑥衝撃⑦ねじれ⑧環境の8 通りの見えない、また自覚しにくいアンバランスが確実に存在し、この①〜⑧迄のアンバランスが複合し、反復性の介達外力となって負傷の瞬間を特定できない運動器系・神経系の亜急性損傷を発生させている、という理論である。
これを8 方向の診断と呼んでいる。 この理論は、力学的に実験や観察が可能であり、それは再現性に伴う因果関係を重力との8 通りのアンバランスで証明や裏付けができる。それを統計的見地から立証しているのが、8 方向の診断である。
統計的見地からも常にその因果関係を立証できるということは、一つの科学である。新しい理論や研究はまず仮説をたてることから始まり、その仮説を再現できることが必要であると考える。
図表で示すと次のようになる。


このように、縦×横×高さ×時間×環境を重力とのバランスで割ると、上記のような8 通りのアンバランスに分けられる。
負傷の瞬間を特定できない亜急性・慢性疾患・神経及び身体不調が発生する根本原因のほとんどが、この1 〜8 までのアンバランスの中のどれかであり、またはこの中のいくつかが複合し、反復性の介達外力が蓄積した結果だったのである。
人間は重力との調和を効率的に保つことを最優先している。重力とのアンバランスで亜急性捻挫を追及するのが自然である。
① 患部の構造学的歪み(前・後・左・右・上下)のいずれかのアンバランスを判断する。
② 患部の過労学的損傷(衝撃・ねじれ)を足裏の機能低下から過労性の損傷度を判断する。
③ 患部の環境学的条件(環境条件)をスポーツや片寄った生活環境により、①②が繰り返される反復性の介達外力となる環境条件を判断する。
①と②の存在が同じことをしても損傷を起こす者と起こさない者との決定的な差になっている。
人間は重力との調和を最優先している以上、重力との力学的なバランスから診断法や治療法の答えを導いていくことが当然であり自然である。
(1)自然界と人間は力学的には同じ構造物である、という考え。
(2)時間の概念として、過労時間となる最大のストレスが衝撃波とねじれ波であり、これが歩行時に免震機能の低下した足から発生している。(これが足と亜急性損傷との関係)
(3)5次元構造を「精神」とする従来の誤りを『環境』と正す。
以上の考え方を前提とすべきである。

5次元構造は「精神」ではなく、正しくは「環境」である。肉体及び精神は、環境に支配されているから、今まで「精神」としていたのを「環境」と改めなければならない。
結論的には、「構造物」には「時間経過」と「環境」が伴うという自然界の法則を人間に当てはめた考え方であり、負傷の瞬間を特定できない亜急性捻挫に対しての診断法や治療法、そして予防医学の根本理論と考える。
21世紀は、重力を中心にして亜急性の損傷の解明が必要な時代へと変化し始めたのであり、そして柔整師や現代医学に取り残された最後の治療学問であると考える。