自宅でケアする中程度の外反母趾
ここで定義する中程度の外反母趾とは、仮骨性外反母趾、靭帯性外反母趾、ハンマートゥ性外反母趾、混合性外反母趾、病変性外反母趾のそれぞれの特徴が明確に出現し、だれが見てもはっきりと外反母趾であるとわかる程、症状が進行している場合をいいます。この様に、個々の症状が特有となる状態においては、その症状別に対処法を考えなければ効果が上がりません。そこで、このページでは外反母趾全般的に必要なケアと外反母趾の種類別対処法を紹介していきます。
中程度の外反母趾全般的に必要なケア方法
外反母趾がある程度進行すると、どのようなタイプの外反母趾でも、ほぼ全ての症例で中足指節間関節(MP関節)の拘縮(関節が固くなる現象)と前足部(足の足首よりも指先側の部分)の筋肉や靭帯の萎縮が見られます。また、筋肉が萎縮することで足の血行や代謝が低下し、足が冷えたり爪が変形または変色したりする例も多く見られます。足の筋肉は活動することにより、血液を心臓に送り返す役割がありますが、その機能が低下すると全身的にも循環や代謝に影響を及ぼす可能性が高まります。また、足の機能低下が起これば、当然身体を支える力も弱まるため、歩行や姿勢維持のバランスも悪く、そのバランスを保つために首、腰、股関節、脚部(ももやすね、ふくらはぎ)に余計な負担がかかります。このまま放置しておくと、いずれ体のどこかに新たな障害が発生するのは明らかです(すでに発生している方もいると思います)。こうしたことから、足の機能低下をまねく外反母趾を改善する上で重要なのが足の機能低下の回復訓練(リハビリ)であることが理解できると思います。
グーパー運動と足指関節の柔軟性の矯正および足裏マッサージ
グーパー運動
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足指の運動として「グーパー運動」がよく言われていますが、ほとんどの人は最初からきちっとできていないのです。指を曲げるだけの動作、これでは子供のおゆうぎで、形ばかりの運動です。曲げるのは指ではなくその付け根にあたる、中足指節間関節(MP関節)を思い切り曲げることが正しい「グー」の運動です。また「パー」の運動で指を開かせる場合もできるだけ指を反らさないようにして広げて下さい。この時、足裏の筋肉が弱っている人は「つる」ことがありますが、繰り返し続けているとつらなくなってきます。いずれにしても最初からうまくできないので初めは手を使い、痛みの限界に近い所まで、曲げたり開いたりを繰り返してもらいたいのです。強さの目安は、次の日の朝まで痛みが残らない程度で、朝痛みが残っていなければ更に強くしてください。次第に足指の運動可動域も広がり、踏ん張る力が出てきます。そして、なれてきたら足指のちからでしっかりグーパーをくりかえし、10回を1セットとして3セットから5セットは毎日おこないましょう。 |
足指関節の柔軟性の矯正
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外反母趾の大半の方の足指の付け根(中足指節間関節)は、その可動域(関節の動く範囲)が狭く、特に底屈(足裏側に曲げる動作)が固くなっています。これは、普段の足指の働きが、靴の中で靴が脱げないように足指を上げて踏ん張るだけになっているためで、逆に足指を地面に付けて踏ん張ることをしなくなっていることが多くなっている証拠です。本来、足指は地面をつかむようにしっかりと踏みしめるためにあり、またそのような姿勢で立つことが、体のバランスを良くします。そこで、足指がしっかり底屈できるように、自分の手で足指を1本ずつ足指の付け根から折り曲げるように矯正しましょう。強めの柔軟体操をやるぐらいの感じでしっかり曲げてください。また、この運動で柔軟性を高めておかないと上記のグーパー運動もしっかりできず効果が上がりません。 |
足指関節の柔軟性の矯正(グーパーリハビリ)
足裏のマッサージ
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外反母趾や足裏の不安定要素を有する足は、足指の運動量が不足し、筋肉の萎縮や靭帯の硬直が起こります。それに伴い、血行や神経の働きが低下し足の代謝作用も衰え、足裏の筋肉が凝り固まったり、足が冷えやすくなります。また、足の皮膚が部分的に固くなり、たこや魚の目ができやすくなります。これらを改善するために、足裏や足指の関節をよくもみほぐし、足指や爪などもこするようにマッサージしましょう。
このようにマッサージをすることで、足全体の代謝作用が高まり、外反母趾の矯正効果を上げ、足の疲労も回復してきます。また、足の代謝作用や血行が高まると免疫機能も向上するので、足や爪の白癬菌感染に対する抵抗力も高まります。 |
自宅内での習慣的な矯正
どのようなタイプの外反母趾でも共通して有効なのが、中足関節を引き締めて横アーチを保持し、足指をひろげた状態で活動することを習慣付けるところにあります。できるだけこの様な環境を簡単に維持するには、靴下タイプの外反母趾矯正用装具が適していると思います。日頃から矯正を習慣付けることで自然に足裏の機能が正常な状態に近づいていきます。
<カサハラ式外反母趾用靴下の紹介へ>
中程度の外反母趾タイプ別対処法
外反母趾には、様々なタイプが存在し、また同一個人の足でも左右異なった症状であることが多く見られます。それぞれの症状、すなわち外反母趾のタイプに合わせて対処を行ってください。
靭帯性外反母趾
中足関節(*)の靱帯が緩み横アーチは広がって扁平な状態になったために起こる外反母趾でほとんどの場合内反小指も併発します。このタイプの外反母趾は中足関節を引き締めて横アーチを再形成することがポイントです。
* このサイトでは、足指の1本に対して足指の付け根の関節を中足指節間関節とし、足指全体の付け根を表現する場合は中足関節とします。 |
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対処法
外反母趾天然ゴムサポーター、外反母趾内反小指シルクサポーター、外反母趾内反小指天然ゴムサポーターなど、緩んだ横アーチを引き締めて親指と小指を開くことができるタイプのサポーターで矯正すると効果があがります。
仮骨性外反母趾
足の親指の付け根に過剰な負担や衝撃が加わるため、骨が出っ張るタイプで、この過剰な負担や衝撃を和らげることが先決です。
対処法
片足で発生している場合:発生している側にソルボ外反母趾薄型サポーターまたはソルボ外反母趾固定型サポーターの着用。(ソルボ内臓のサポーターは衝撃をやわらげて過剰な負担から足指の付け根を保護します。)
両足で発生している場合:ソルボ外反母趾薄型サポーターまたはソルボ外反母趾固定型サポーターを両足に着用する。あるいは、衝撃吸収性のインソール(カサハラ免震インソール)と外反母趾内反小指シルクサポーターまたは外反母趾内反小指天然ゴムサポーターとの併用をする。
ハンマートゥ性外反母趾
| 指先全体が持ち上がり縮こまった形になり、足裏の指の付け根や足指の関節あるいは指の間にタコやうおの目などができます。横アーチは消失し、逆に反ったアーチになる場合も多く見られます。また、足指は本来の機能を消失しているため身体の重心点はかかと側に移動したいわゆるヒールストライクの状態となり、足だけではなく膝、腰、首に過剰な衝撃が加わります。このタイプの足は、足指をひろげて横アーチを回復させ過剰な衝撃から身体を守ることが大切です。 |
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対処法
衝撃吸収性のインソール(
カサハラ免震インソール)と
外反母趾内反小指シルクサポーター、あるいは
外反母趾内反小指天然ゴムサポーターや
外反母趾天然ゴムサポーターの併用をしてください。また、このタイプの足は、土踏まずの部分がつっぱり疲労を起こしやすいので足裏を丹念にマッサージもしくは指圧をしてください。
足裏天国フットバイターの使用により効果が倍増します。
混合性外反母趾
仮骨性、靱帯性、ハンマートゥ性などが混ざったタイプの外反母趾で中程度の外反母趾と言うよりはやや重度の外反母趾に成りかけています。徹底したメンテナンスを必要とします。
対処法
自宅内では外反母趾室内履きテーピング靴下や足裏安定ソックスなどの上から外反母趾内反小指シルクサポーター、外反母趾内反小指天然ゴムサポーター、外反母趾天然ゴムサポーター、固定式シルクサポーターなどを着用し矯正効果を高めましょう。外出中は、カサハラ免震インソールと歩行矯正ロングテーピング靴下、歩行矯正ショートテーピング靴下または外反・内反パンティストッキング、外反・内反ショートストッキングなどを併用すると良いでしょう。
外出から帰宅したら足裏や足指のマッサージを念入りに行い、グーパーリハビリもしっかり行いましょう。
病変性外反母趾
リウマチや変形性関節症あるいはその他の膠原病などの影響で外反母趾が発生している場合を病変性外反母趾といいます。このようなタイプの外反母趾は、一般的に変形した状態から元の状態にもどすことはできません。ポイントは、変形の進行を予防し、また身体各部への影響を防ぐことにあります。
対処法
対処法には、変形があまり進んでいない場合と変形が進んでしまった場合に大きく分けて考えます。
変形があまり進んでいない場合の対処法
この時期にしっかりメンテナンスすることが非常に大切であることは、今までの治療活動の中で痛切に感じています。病変性の場合、その原因疾患により骨や軟骨、靱帯などの結合組織が脆弱で衝撃や外力に対して影響を受けやすい状態にあります。過度の負担から足を保護しなければ変形はどんどん進行していきます。これらの負担から保護するためにも外出時はカサハラ免震インソールの着用は必須となります。また、自宅内でもソルボ外反母趾薄型サポーターやソルボ外反母趾固定型サポーターあるいは外反母趾室内履きテーピング靴下を着用してください。
足裏や足指の関節、足首の関節などもこわばりやすいのでマッサージや関節運動はていねいにゆっくり行ってください。決して強いマッサージや乱暴な関節運動はしないでください。関節を構成する骨、軟骨、靱帯は弱っているので強すぎる刺激は逆効果となる場合があります。
変形が進んでしまった場合の対処法
極端に変形が進行した場合(足指が完全に重なったり、ねじれた形になったもの)の対処法は、重度の外反母趾のページで解説します。ここでは、明らかに外反母趾が発生しているもののまだ足指が重なるほどではない程度のものに対して解説します。
外出中は、カサハラ免震インソールと歩行矯正ロングテーピング靴下、歩行矯正ショートテーピング靴下、外反・内反パンティストッキング、外反・内反ショートストッキングなどとの併用をすすめます。自宅内では外反母趾室内履きテーピング靴下あるいは足裏安定ソックスと外反母趾内反小指シルクサポーター、外反母趾内反小指天然ゴムサポーター、外反母趾天然ゴムサポーター、ソルボ外反母趾薄型サポーター、ソルボ外反母趾固定型サポーターなどを併用すると良いでしょう。足裏や足指の関節、足首の関節などもこわばりやすいのでマッサージや関節運動はていねいにゆっくり行ってください。決して強いマッサージや乱暴な関節運動はしないでください。関節を構成する骨、軟骨、靱帯は弱っているので強すぎる刺激は逆効果となる場合があります。
サプリメントの活用
関節を形成する靭帯、軟骨や関節運動にかかわる腱などの組織は、その構成成分の重要な要素にグルコサミンが存在します。グルコサミンはアミノ糖といわれる糖タンパクの一種で主に結合組織の細胞間質に存在します。不足すると関節や腱・腱鞘などは非常に弱くなり関節の変形や炎症を引き起こす一因となります。また、体内でグルコサミンを硫酸化し、コンドロイチン(軟骨を形成する主成分)を生成するためにビタミンCが使われます。ストレスや運動あるいは仕事や日常の作業で1日に相当量が消費されるビタミンCは不足すると関節や肌の形成やみずみずしさなど様々な部分に影響をあたえます。外反母趾の予防や改善にこれらの成分が含まれるサプリメントを摂取することがとても有用であることがわかると思います。
しっかりしたグーパーリハビリを行うことで、摂取したグルコサミンが有効に吸収・活用されるように活性化されるのです。サポーターなどの矯正とグーパー運動などによる物理的効果に加えて、サプリメントによる科学的効果を取り入れればその成果も向上します。
尚、変形性関節症などの関節炎や慢性関節リウマチの方には体内で生成することのできない必須脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)も有効成分として知られています。この成分は、同様に必須脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)とともに、イワシ、サンマ、マグロなどで摂取することが可能です。