近年は、一般的な生活圏において、アスファルトやコンクリートで舗装された路面が大部分を占めるため、かかとが痛くなる方も多いようです。しかし、全ての人がかかとが痛くなるわけではなく、それなりに悪くなる原因があります。その原因を特定することが改善の早道となります。
原因その1:指上げ歩きによるヒールストライク
足指をしっかり接地しない歩き方(指上げ歩き)をする方はかかとを突きすぎる現象、いわゆるヒールストライクを起こします。
本来、足指、足指の付け根、かかとの3点に接地点が存在するはずなのが、指上げ歩きにより、足指の付け根、かかとの2点接地になってしまいます。さらに、指先が上がるわけですから、重心点がかかとに移動するのも分かると思います。極端な例では、かかとと足指の付け根に異常なタコや魚の目ができている方もみられます。
足裏にかかる体重や衝撃は、一般的にかかとに70%、かかとより足先の部分に30%といわれています。しかし、指上げ歩きをするとかかとにかかる体重や衝撃は90%前後になると予想されます。また、体重や衝撃を受ける面積もその広さに比例して変化します。 当然、指上げ歩きの状態では、その接地面積が狭くなるためかかとや足裏にかかる力学的ストレスは高くなります。

原因その2:特殊な環境条件によるヒールストライク
例えば、靴底の固い靴をはいて営業などで長時間歩いたとします。アスファルトやコンクリートの路面の上を長時間歩けば相当な繰り返される負荷がかかとに加わることが想像されます。これを毎日繰り返していればやがてかかとは炎症を起こしとても歩ける状態ではなくなるでしょう。実際にこのような例は、治療活動の中で頻繁に体験します。また、頭痛や腰痛、背中の痛み、首や肩の凝りなどを併発する方も多く見られます。その他にも以下の様な環境条件が考えられます。
ジョギング、マラソン、テニス、新聞配達(階段の駆け下りによる)、宅配運搬職(トラックの運転席から跳び下りるため)など
原因その3:体重の増加による絶対的な負荷
体重増加もひとつの要因として作用するケースも多く、特に数ヶ月の間に急激に太ると、その体を支える筋肉などの耐久力が追いつかないため、その衝撃に耐え切れずに発生するものです。
かかとの痛みの原因は、以上の要素が2つ以上重なって発生することが多く、それぞれの原因に対処していかなければ根本的な改善につながりません。
かかとに発生する代表的な障害
ショウコツキョク(ショウコツコッテイキョク)
踵骨棘(踵骨骨底棘)
踵骨(ショウコツ:かかとの骨)の底面に発生する骨障害で骨が棘状に突出する変形。 中年以降に発生頻度が高くなるが、青年期でも比較的かかとを突く動作が多いと発生しやすい。 極端な場合、かかとの真ん中あたりに固い隆起を触れ、かかと全体が腫れあがり、足がまともに着けなくなる。この様なケースでは整形外科的な処置(骨棘を切除する手術など)を要する場合もあります。
※通常、踵骨棘に発展する前に、かかとの軽度の痛みや炎症が起こるので、その段階でかかとの固定を施行すれば早期の回復につながります。固定には、衝撃吸収材を使用したものが最適です。また、痛みや熱感のある場合は冷湿布なども効果的です。

ショウコツコッタンエン
踵骨骨端炎
成長期に見られる踵骨後方突起部成長軟骨に起こる炎症で、かかとを手のひらで包むように圧迫するとかかとの内側または外側に痛みを誘発することができます。 歩行時の疼痛やかかとの腫れが現れ、炎症がひどくなると足が着けなくなります。
一般的な処置として冷湿布と固定を施行し、炎症が治るまで安静にする方法が行われます。 スポーツを専門的に行っている子供に多く起こるので兆候があったら衝撃吸収剤入りのサポーターなどを着用するべきである。
かかとの痛みの改善法
指上げ歩きの改善
大きめの靴やかかとの押さえが無いサンダルなど、脱げ易い靴や履物を履く習慣があると、その履物が脱げないように指を上げて履物を押さえるくせがついてしまいます(くつのかかとを部分を踏みつぶしてサンダル状に履く場合も同じ)。まずは、自分の足に合ったサイズの靴を使用することが大切です。また、指上げ歩きを繰り返していると、足指の付け根が固くなり、上に指を上げる動作(背屈または伸展という)は容易にできるが、下に曲げる動作(底屈または屈曲という)ができなくなるケースもほとんどの場合でみられます。
この様な現象が起きている場合は、グーパーリハビリをしっかりして、足指を曲げられるようにしなければなりません。さらに、中足関節を締めるサポーターや靴下などを利用して矯正すると効果があがります。


足指関節の柔軟性の矯正(グーパーリハビリ)
中足関節を矯正するサポーターや靴下
これらを有効に使用し、中足関節を締める事で指上げ歩きが矯正される



環境条件への対策
スポーツや作業などの条件により、かかとに負担がかかる場合、その負担を和らげるために衝撃吸収効果の高い素材を使用したインソールやサポーターを着用して保護するのが第一です。また、シューズなどを衝撃吸収効果の高い素材を内臓したものに変える方法もあります。今現在の日本市場で流通している衝撃吸収材の中で、衝撃吸収力と耐久性、および品質のバランスを考えると(株)三進興産で提供しているソルボが一番優れていると思います。
このソルボは、イギリスの科学者モリス・ハイルス氏が開発した素材で、外圧を受けると素早く変形し、ゆっくりと元の形に復元することで衝撃を吸収するとともに、高い粘弾効果によって圧力を均一に分散する粘弾性高分子化合物です。このソルボを使用したインソールがカサハラ免震インソールです。(当サイトでも販売しています。)

体重増加に対するウエイトコントロールの勧め
物理的な問題として体重の急激な増加による負担もひとつの重要な要素として捉えるべきで、体重増加とともにかかとの痛みが現れた場合はその原因は50%の確立で作用していると考えられます。ただし、体重増加=かかとの痛みというわけではなく、指上げ歩きや環境条件のいずれかの要素も50%の原因として働かなければ発生はしません。
環境条件に対する対策や指上げ歩きに対する対策が万全であるにもかかわらず回復しない場合は、ウエイトコントロールを行う価値があると思います。 ウエイトコントロールで問題になるのが、栄養失調による弊害とリバウンドにあると思います。では、なぜこの様な現象がおこるのでしょうか。
人間が生きていく上で最低限必要な栄養素というものがあります。毎日の作業や生活による基本的な動作や思考を行うエネルギー源となるのがブドウ糖であり、不足すれば動作や思考が鈍くなり疲労が起こります。たんぱく質の摂取不足では、ホルモンや酵素などの分泌物の生成の減少、各組織や細胞の形成維持の減退などが生じ、ミネラルやビタミンの不足は消化器系、循環器系、神経系などの機能障害や代謝障害を招きます。
やはり、必要な栄養素を最低限必要な量だけバランス良く摂取しながら痩せていくのが理想的であります。このバランスをくずしたダイエットは、当然不足した栄養素に対する栄養失調をおこします。また、リバウンドも不足した栄養素を取り戻そうとする体の防御反応が過剰に起こったもので、無理なダイエットの代償ともいうべき現象であります。食事制限による必要栄養素の不足はサプリメントで補い、リバウンドや栄養失調を予防しましょう。













