5種類の外反母趾
親指が小指側に曲がってくる靭帯性外反母趾

症状
足先の横幅(横アーチ)を支えている横中足靭帯(中足関節)が伸びたり、緩んでしまった結果、親指が小指側に曲がっている状態です。
発生原因
生まれた時から靴下を履かせたり、また歩くようになっても畳・じゅうたん・アスファルト・床など平らで安全な所ばかりを靴で歩くため、足指が危険を感知し、体を守ろうとする本来の働きが起こらず足指が力不足になり、次第に横中足靭帯が伸びたり、緩んで足裏全体が衰えていくものです。
横中足靭帯が伸びたり緩んだりすると、親指に力が入らなくなりヒールやパンプスなどを履くと、踏ん張って歩こうとするよりも靴が脱げないようにと指を上げたり、縮こませたりして次第に先細の靴に合わされて外反していきます。このように靭帯性外反母趾の原因は足裏への刺激不足が主原因であり、ヒールやパンプスは二次的要因となっています。
身体にねじれのストレスを生む靭帯性外反母趾
靭帯性外反母趾の人は歩く時正しく蹴れないで、どうしても足先が外方向へ流れるような歩き方をしてしまい、ねじれのストレス(必要以上のねじれ)が身体に繰り返し伝わり、その中で力学的にアンバランスが最も多い所に過労が蓄積し、限界を超えた時、原因不明の痛みや不調を起こすのです。重心の取り方が左右の足で異なるため、外反母趾は左右でも形が違ってくるのです。靭帯性外反母趾は主にねじれ(地震の横揺れ)と同じような影響を多く受ける結果となるのです。
靭帯性外反母趾が引き起こす障害
①足の指、足背部、足関節の痛み ②すねのはりやしびれ、むくみ ③過労性骨膜炎や下腿の疲労骨折 ④股関節の偏位による下肢の長短差 ⑤骨盤のズレや左右の高低差、側湾症 ⑥顎関節症や咬合異常、偏頭痛や肩こり
親指の付け根の骨だけが異常に出っ張る仮骨性外反母趾

症状
親指そのものは角度的にもあまり曲がらないで、付け根の骨だけが異常に発育して出っ張り、外見上曲がった様に見えてしまうパターンです。また骨が出っ張る時、この骨(仮骨)が親指を押し曲げてしまう場合が多くあります。
発生原因
歩行時、指上げ歩きをして親指の付け根にあたる母趾球部を強く打ち付けてしまうため、この部分に過剰な衝撃が繰り返され防御反応の一種として仮骨形成が起こり骨が出っ張ってくるものです。(例えば、足指を上げて歩く癖がついてしまったり、ヒールやパンプスが脱げないようにと足指を縮こまらせ、足の指を使うことなく指の付け根で歩いてしまうなど。)ですから親指の付け根を使って歩く人に圧倒的に多く見られ、またこの部分の皮膚が肥厚していたり、タコができている場合が多いのです。
衝撃のストレスを受ける仮骨性外反母趾
仮骨性外反母趾の人は歩く時、足の親指を浮かせたりスプーン状に反らしてしまうため、重心がかかとに移動してしまい、衝撃のストレス「過剰な衝撃」を多く受ける結果となり、繰り返されているうちに、膝、腰、背骨、首へと過労が蓄積し限界を超えた時、原因不明の変形性障害を発生させてしまうのです。仮骨性外反母趾は主に衝撃(地震の縦揺れ)と同じような影響を多く受ける結果となるのです。
仮骨性外反母趾が引き起こす障害
①足底部の痛み ②変形性膝関節症 ③ジャンパー膝、半月板損傷 ④腰椎ヘルニア⑤腰椎分離症、すべり症などの疲労骨折 ⑥頚椎の痛みや変形 ⑦頭痛、肩こり、めまい
靭帯性と仮骨性の外反母趾が合併した混合性外反母趾
症状
主に靭帯性外反母趾と仮骨性外反母趾が合併したもので、中年以降の女性に多く見られます。
発生原因
最初は靭帯性、または仮骨性のいずれかが発生し、年齢が増すに連れ両方の要素を現すものです。中足関節が伸びたり緩んだり、さらに指を上げて歩くと、親指の付け根の骨の部分が靴とこすれ、摩擦により骨の上に粘液が溜まる(バニオン)と呼ばれる症状を起こす場合もよく見かけます。混合性外反母趾は最も多い症状ですが、その原因のウエイトが、靭帯性か、仮骨性か、どちらの割合が主な要素になっているのかを見極め、それに合った診断と治療をしていくことが重要なポイントです。
混合性外反母趾はねじれと衝撃の両方のストレスを受ける!!
混合性外反母趾はねじれのストレスと衝撃のストレスをからだに蓄積させるため、両方の障害が体に現れてきます。
混合性外反母趾で起こりやすい障害
- 右腰のヘルニア、脊椎分離症と同時に左腰は骨盤のずれ
- 右膝の変形性膝関節症と下腿部外側の痛み

足先が上を向き過ぎたり、ハンマーの様に縮んでいるハンマートゥ性外反母趾
症状
生まれつき指がハンマーの様に縮こまっていたり、あるいは足先が細すぎたり、上を向き過ぎたりして足先が縮こまってしまうなど、生まれつき外反母趾になり易い先天的な要素を持った人に起こる外反母趾です。足指が極端に浮き、しかも萎縮しているかの様に縮こまっているため足指の付け根の部分の幅、全体が広く、皮膚も肥厚しています。外見からも足指がただ飾りだけの様な感じに弱々しく見えてしまうのですぐ分かります。
発生原因
生まれつき外反母趾になり易い身体的特徴あるいは先天的な要素が原因。
地面からの過剰な衝撃を受けるハンマートゥ性外反母趾
ハンマートゥ性外反母趾はクッション作用の著しい低下により特に地面からの過剰な衝撃を垂直に受け易く、わずかな運動量にも関わらず、すぐに痛みが起こってきます。
ハンマートゥ性外反母趾で起こりやすい障害
足、膝、腰、首等のスポーツ障害など

病的要素や事故、ケガが加わり著しい変形や脱臼を伴う病変性外反母趾
症例
病的要素(リウマチ、へバーデン結節など)や事故、ケガなどにより発生するため、変形が著しく多くは脱臼を伴い、そのまま萎縮しているため、形を治すには手術以外には困難であり、また手術をしてもすぐに再発するなど成功率が極めて低いので注意が必要です。手術における著しい失敗例などはほとんどこの病変性外反母趾によるものであり慎重に対処しなければなりません。リウマチやへバーデン結節による病変性外反母趾は、早めにテーピング・サポーター等で形を整えておくと著しい変形を防ぐことができます。

*へバーデン結節*
へバーデン結節とは、手指の先端の関節に起こる変形性関節症の一種で、爪に近い関節が腫れたり、あるいは横幅が広く太くなったり、指が横に曲がったりするもので、中年以降の手仕事をする女性に多く見られます。また医学書においては手にしか起こらないと記されていますが、私は足の指にも発症し、ひどい外反母趾になると警告している症状です。
